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今日の英語の勉強  についてちょっと烏滸がましいですが、オーナの思いを書きます。ページの最後 に私が過去に読んだ書籍一覧もあげておきました。興味があればお読み下さい。

日本人は英語、特に米語、イギリス英語 にあこがれが強いようですし、一見ペラペラと英語を美しくしゃべる 人を妙に尊敬の目で見たりします。また英語ができる人は仕事もできる みたいな空気もあり、ちょっと特殊な国かも しれません。私の経験も踏まえちょっと考えてみたいと思います。高校を卒業して基本教育を受けた後 どうするのか、という視点です。あくまでも個人的な意見ですのであしからず。

誤解されては困るのですが、英語が使えることはとても素晴らしいことで、世界が広がります。英語を使える日本人 が増えることは正しいと思います。しかし前提はやはり、母語である正しい日本語がきちっと運用できて、ということではないでしょうか。

■ 英語に関するあれこれ

※ 英語公用語化:あまり賛成できません

・少し前になりますが、楽天やユニクロで社内英語公用語化が発信されました。日本人同士でも会議や仕事の場では 言葉は英語を使うということです。現時点で実情は良くしりませんが、私はこの時少し驚きました。この会社の人たちは そんなに英語がうまいんだ!という驚きです。私は既に退職しましたが、現役の時は、アメリカと欧州と良く仕事をし、 出張も何十回も行き、英語を使うことが頻繁にありました。しかしいつも英語で進める会議や実際に現地の職場で 相手の外人と一対一でやり取りする時は全神経集中させて相当エネルギーを使っていました。自由なアフターファイブの 楽しい食事会はもちろん別でしたが。

・社内英語公用語化して、日本で、しかも日本人同士でも英語で本当に仕事がきちっと進むのでしょうか。外人が一人でも 居て、日本語が理解できなければ、英語で会議をすることは好ましいことは当たり前ですが、ほとんどが日本人で英語が 苦手な日本人がそれなりに同席している場合は、言葉をどうするか難しい問題です。日本語で会議をしても うまく進まないことがある会議を英語で進めて結論を間違わないのか?

・私の経験では英語で進めると絶対に理解が浅くなる。遠慮して意見を言わなくなる。格好を付けて言いたい ことを言わない、会議が終わった後で、あれこれ不満が出てくる・・・。ニューヨークで外人が多い場で日本人が いても英語で会議をするのは当たり前と思いますが、シチュエーションを良く考えないと英語でやると それが負荷になり、うまくいかないことが殆どです。

・世界から人があつまり、多民族、多言語環境で、共通のことばとして英語しかなければそれは関係者の 公平なハンディを考え英語で仕事を行うのは正しいと思います。この場合でも日本人だけなら日本語、他の 国の人が参加していれば英語 となるでしょう。

・更に英語でビジネスをした方なら良く理解できると思いますが、ビジネスを英語でする為には相当な 英語力(知識、語彙力)に加え、発信力、論理力が絶対に必要です。特に論理が曖昧な日本語感覚で英語をしゃべると 通じません。私が感じたのは、英語はロジックだ!ということです。英語がいくらうまくても通じないのは このロジックと直球勝負に日本人が慣れていないからだと思います。勉強英語ではこのロジックや主張は勉強 できませんから、場数を踏んでいない人は自分の英語に愕然とすることが多いと思います。

・仕事での英語公用語化は、英語の前に、論理的に考え、発信する癖、話題性(知識)、気おくれしない姿勢など も同時に身に付けていれば成功すると思います。上辺だけの英語使いでは仕事は進まないし、深い議論や 思考ができず、かえって弊害が多いと思います。関係者(社員全員)がMBA取得者みたいなレベルなら別ですが。

※ 英語早期教育:いまのままでは反対です。(条件が整えば賛成もありえます)

・文科省は小学校での早期英語教育を徐々に進めて行く予定だとか。またPTA、つまり多くの親ができるだけ 早く英語教育、しかもネイティブによる教育を望んでいるようです。小学校高学年から低学年にうつすこと、最近は 義務教育ではありませんが幼児のころから英語を習わせたり、インターナショナルスクールみたいなところに 通学させることも起こっているようです。

疑問点がいくつかあります。

①誰が教えるの?:当然沢山の児童が居ますから、全員それなりの資格を持った外人教師では無理です。そうなると 今の小学校の先生が対応することになります。今の小学校の先生は要求通り英語を教えられるのでしょうか。早期英語教育は 従来の文法、単語、逐語翻訳ではなく、「英会話」中心です。つまり外国の人と英語でコミュニケーションする 英語力を小学校の時からみんな勉強しようということです。こんなことできるのでしょうか。

・どんなレベルの英語を教えるの?:Hello,How are you?みたいな英語を小学校で勉強しても何か意味があるのでしょうか。 これから君はアメリカに駐在する家族と一緒に移住するから勉強しようとはレベルが異なります。

②母国語の重要性は?:また小学校での日本語の運用能力はどれくらいでしょうか。日本人であり、多分日本で生きていく人にとって しっかりした社会生活や人生を送っていくには日本語の運用能力はそれなりに必要ですし、これは学習が必要です。 シンガポールなどはバイリンガルを目指して、授業を英語でしていますが、母国語と英語がともに中途半端になって いるとの調査結果もでているようです。多くの学者が主張していますが、母語がしっかり運用できることは、その国の文化や文明、歴史、深い思考、精神の発達 には欠かせないことらしいです。中途半端な英語で何かを教えられたり、思考することで、本当に学ばなければならないことが 身につくのでしょうか。日本という国がどうなるか、という深い課題を投げかけます。

③ネイティブとは?:もちろん、語学の習得はきちっとマスタするには脳科学やその他の見地から早期に始めるのが良いことは実証 されています。ネイティブの様にしゃべるには早期にしっかりした訓練をつむことが絶対的に有利です。ここで重要 なのは ”ネイティブ” の様にという達成レベルです。 ネイティブの様に喋らないといけない人は一体どれくらいいるのでしょうか。海外でビジネスをしっかりできている 人はMBAなどで数年間鍛えられた人が多いですし、何年間か駐在した人もいます。この方々はほとんど大人になって それなりに勉強したり環境で鍛えられてコミュニケーションができるようになった人たちです。しかし殆どの人は ネイティブのようにしゃべっていませし、しゃべれません。またしゃべる必要もそれほどありません。でも完璧ではないですが  ”仕事は英語で進めることができています。それは目的が明確ですから、それに必要なコミュニケーション手段を英語で 経験し、体で覚えているからです。

・私の経験をお話してまとめます。海外で仕事をしていて、英語で話に苦労したり、会議でうまく話せなかったり した時、まともな企業や人とのコミュニケーションの場合、相手は辛抱強く対応してくれました。会議後なども相手から Good job!と褒められたりしました。相手曰く「日本人がうまく英語をしゃべるということは最初から期待していない。 下手でも全く構わない。何を言いたいのかわかることが重要だ。英語のうまい下手は関係ない。英語よりちゃんと 筋道たてて説明できない日本人が多いし、yesかNoか曖昧な事が多いのが問題だ。」 要は重要なのはコミュニケーションです。 ペラペラでネイティブみたいよりまず意思伝達がきちっとできることではないでしょうか。つまり母語でない英語で会話する スキルを身に付けないといけない、という必要性とその為に達成しなければならない教育がバランスしているのか、また それが本当に必要な人はどれくらい必要なのか、母語の日本語の重要性をどう考えるのか、という視点が大切です。

※ 英会話偏重:反対に近い

これはちょっと物議を醸し出すかもしれません。でも敢えて思いを!

・巷の英会話学校の授業料はいくらでしょうか。また英会話を勉強するための投資額とはいくらでしょうか。 それと勉強をした成果を実際に試し、実感できる「環境・場」はどれくらいあるでしょうか。もちろん海外 旅行して英語が使えると何かと便利ですし、楽しさも倍増することは間違いないのですが、いざ使って みると「何か通じていない」「日本語が結構通じる」「あれだけお金使ったのに・・」みたいな経験は ないでしょうか。まあそれも楽しみの一つとして良しとします。

・次にビジネスの場を考えた場合、上記でもいろいろと意見を書いてきましたが、私の感覚では 次元が異なると思います。英会話ではなく、英語でのコミュニケーションです。自分が言いたいことを 準備して言うということではなく、突発的に予想もしていないことや相手の発言に対して、「言わなければ ならない場」が非常に多くなります。なまじっかな英語力では対応できませんし、語彙力も話す内容も かなりのレベルが要求されてしまいます。

・旅行や通常の日常的な会話なら問題はほとんどなくても、ビジネスはちょっと違うということです。

・プロが行う同時通訳のブースはすさまじいものがあり、そんなレベルは100倍も難しいとしても、 会話と意思疎通の為のコミュニケーションとはまず違うという認識が大切ではないでしょうか。ですから 何の為に高い授業料で英会話を勉強するの?達成したい目標レベルは? という問いかけを時々してみて はいかがでしょうか。

・ブログやTwitter、web上の情報、仕事でのメールのやりとり、文献、英語での書類など、仕事を していると海外とのやり取りで多いのが「読み書き」です。電話で話すことや会議もありますが、これは 英会話でなくコミュニケーションです。私の経験では書くことに結構苦労しました。メール一つに しても、私用では無いため、結構正確さが求められましたし、読むこともスピードと正確さが必要 でした。いちいち日本語に訳してもらう、というようなことは実際にはお偉いさん以外無理です。

・話すことと読む・書くこと、どちらが多いかと言えば、一部の仕事を除いて圧倒的に読む・書く でした。技術開発をしていると、専門の文献、特許、など読み書きが圧倒的に増えます。 もちろん英語が話せることができれば物凄く助かることは当然ですが、読む・書くができない 人は相当苦労します。その場しのぎで誤魔化せないからです。

と言うわけで、英会話ばかりに偏重するより、逐次翻訳で読んだ というレベルではなく 英語をそれなりの理解度とスピードで読み込み、意思疎通できるレベルで書ける英語力ももっと 重要ではと思います。

■ じゃ!どうする

・学問に王道なし!英語の学び方は人それぞれです。でも中学3年間、高校3年間、大学教養2年間 更に小学校早期教育で数年間、英語の勉強という過程を日本国民は経験していることは間違いなく 事実です。何の為でしょうか。リベラルアーツ、つまり教養であり、これから国際社会を生きていく日本人は 英語くらい?喋れて?当たり前だ!という論評でしょうか。

・また一方IT技術の進歩で、10年くらいたつといわゆる、機械翻訳や機械通訳みたいな技術が進歩し 、実用レベルでは下手な英語使いよりよっぽどましになるかもしれません。

・本当に英語でコミュニケーションしないと生きてけない環境にいる人、それなりにできれば良い人、 どちらかと言うとあまり英語のご利益にあずからない人、まったく関係ない人、など現実的には どうしてもどこかの境遇に当てはまると思います。

・趣味や学問で英語に接する人は別としても、一般人でリベラルアーツとしての外国語を 身に付けるなら、もっと視野を広げ、英語以外の言語に精通することもありです。コミュニケーション で英語を使いたいならそれなりのレベルを目指してしっかり勉強し、それが無いならもっと 肩の力を抜いて、多言語から自分にとっての外国語を身に付けたいものです。

■ では本物の英語を身に付けるにはどうすれば良いでしょうか。これも僭越ですが私の経験から 参考になればということでお話します。私は独学で英語のレベルを上げました。社会人現役の時の もっともレベルがあがった時には、※契約の内容について英語で電話会議ができた、※外国特許 を沢山解読していた、※必要があれば通訳をしていた、※会議でほぼ言いたいことは言えた ※仕事で困らないくらいには話せた、くらいのレベルでした。TOEICは正直900点は到達していません。

・私が実行したこと  ※標準的な英語教育(中学、高校)を受けたレベルが前提です。

英文(原書)を兎に角たくさん読み込んだ:原書やweb上の情報、文献など気になった英文を 沢山読み込み、英語らしい表現、自分が知らない表現を記録し、ノートを作りました。これは初心者のころ から簡単な英文でも記録していました。使い方が難しい語彙や言い回し、新しい言葉などなんでも記録して復習して いました。

会話関連の英語を聞き、表現を覚えた:評価の高い参考書や海外のニュース番組で書物になったもの 、すきな映画のシナリオ、などを何回も読み、聞き、気に入った表現を覚えるようにしました。皆さんと同じかもしれませんが 、山ほど英語参考書も購入し、片っ端から読んでいました。

会議や日常会話などの場で、あれ!と思う表現を記録して覚えた:初心者のころは 同席した人や一緒にいた人、或いは直接外人の相手に、敢えて質問し、どう言ったの、どういう意味 と 恥ずかしげも無く質問し、記録して使っていました。随分昔ですが、「すぐ行くから」ってどう言うんだろう? と悩んでいた時、ある外人さんが「be right there」とさらりと言っていたのに感激し、目から鱗だった記憶 があります。またエレベータで、乗り合わせた人にボタンを押してあげる場合も、「何階ですか?」 って普通はどういうのだろう?と思っていた時、ある人が「Which one?」とこれもさらり。 分かるとなんでもない簡単な表現ですよね、でもこんな経験を沢山すると結構実践力が付きます。

単語は読んだ英文から覚えた:語彙は語彙だけで覚えることはしませんでした。気に入った 英文や原書、自分が読んだ書物などから知らなくて覚えたい語彙を記録し、いつも携帯して覚えて いました。文書も一緒に読んでいましたから、使い方も自然と覚え、そんなに苦労せずに語彙力を 付けれたと思います。

・ざっとこんな感じですが、結局地道な努力しかなかったということです。私の場合海外駐在などで長期に 海外の環境にいることが無かったのですが、出張で海外に行った時はチャンスとばかり、英語漬けに なるように敢えて自分からいろいろな場面に飛び込んでいきました。会議やアフターファイブ、 沢山の人が集まる場では日本人からできるだけ離れ、現地の人と必死で話をするようにしていました。

・英語によるコミュニケーションはロジックである、と豪語していた松本道弘さん(ちょっと古いですが) の書物もほとんど読みました。これは真実で、筋道がしっかりしていると必ず聞いてくれますし、話相手になって くれます。できれば話題豊富でユーモアもあれば鬼に金棒ですが、これは日本人では無い物ねだり。

・要は、1、自分が目指したいレベルや理由をそれなりに決め、本ものの英語にできるだけ触れ、インプット を我慢強くつづけ、覚えたことをアウトプットしながら経験をできるだけ積むこと。2、今の世の中 ネットの世界に山ほどコンテンツがあるので、無料コンテンツをできるだけ活用し、現地感覚に触れること 3、英語はあくまでも手段なので肩ひじ張らずにマイペースで身に付けること、4、義務感でやらずに 必要なければ止めること(英語以外に大切なことは山ほどあるから)、5、覚えたいこと、知らないことは どこかに記録して、復習し覚えたら消していくこと。

・少し抽象的になってしまいましたが、海外生活や、親の駐在で運よく恵まれた環境で過ごすことができない普通の 人は、自分にあった方法を見つけ、目標や目的を自分なりに設定し、地道に努力して、目標を達成していく と言う方法が一番近道だと思います。英語はほとんどの人にとって、人生で身に付ける多くの大切な事柄の一 つではないでしょうか。

参考文献:「英語公用語」は何が問題か 著者:鳥飼玖美子

参考文献:英語と日本語の間 著者:菅原克也

参考文献:外国語学習の科学 著者:白井恭弘

参考文献:英語の害毒 著者:永井忠孝

参考文献:英語化は愚民化 著者:施光恒

参考文献:「達人」の英語学習法 著者:竹内理